乾燥温度が制御できなくなる
30年を超えて使用している乾燥機が 温度制御できず80度を超える表示が
出始めました。 温度センサーを交換してみましたが改善できません。
メーカーに問い合わせた所、原因は制御基板の劣化だそうです。 当然交換パーツは
既に無く買い替えを勧められる始末です。既にヒーターも2回交換しており、十分活躍
してくれたのでやむを得ない所ですが費用がバカになりませんし、ほかに異常は
ありません。
そこで今回は、改良で事態を乗り切ることにしました。
方法は ヒーターの手前に電磁弁を設け、ダイアル式サーモスタットで出口温度を
60度に達したら蒸気をカットする様にしました。
昔の乾燥機は この様な方式だったそうです。注意として急に蒸気がヒーターに
行くとヒーターの破損につながってしまいますので、一気に蒸気が入らない必要が
あります。手動バルブで流量を落とし、配管も長めにすることで防止策を講じる
事にしました。
部品の調達
以前に比べてネット販売のおかげでほとんどの部品は すぐ手に入ります。
また、ホームセンターなどで、電気ケーブルとか配管部品、工具なども
簡単に入手できる様になり 修理をする者にとっては ありがたいことです。
パーツリストを作ります。
スチーム用電磁弁 15A
サーモスタット ロバートショウ型
配管パーツ、電気コード、シールテープ
まず、交換用配管を組み立てます。電磁弁が4分を使用するため、6分の配管とは
異形ソケットで繋ぎます。 シールテープをあらかじめしっかり巻き付けておきましょう。
ねじ切り機械がありませんので、必要な長さを確保するためには市販の配管パーツを
組み合わせて使用します。 配管の長さが全体で 95cmになるように調整します。
今回は50cmと25cmの配管をニップルで繋いで電磁弁、エルボを合わせて95cmを
作りました。
ホームセンターでは いろんなサイズの出来上がり配管を販売されていますのでこれを
利用します。「ねじ切り機が無いので配管は業者に依頼するしかない」諦めず挑戦しては
いかがでしょう。
次に古い配管を外します。
ユニオンは 古い場合固着していて回りません。
切って外すのがポイント
金鋸で5分位です(グラインダーなら10秒ほど)
残りの配管もレンチで外しますがパイプを足してやると
楽に外せます。
古い配管を保護するためにも、反対側にもレンチを
かけるようにしましょう。
今度は配管を組みます。長さのズレは 5mm以内に
しなとユニオンが閉められなくなります。
プロならネジ切り機で長さを調節できるのですが
普通個人では 持っていない工具でしょう。
最近ではネットで注文もできるようですが時間が
かかる様です
サーモスタットの取り付けと電気配線
サーモスタットは 見やすい場所がいいのですが
今回は金属板に穴あけは簡単ではないので、
プラスチックの空箱を利用しました。
簡単に穴が開けられますし、取り付けも
ビス2個で済みました。
センサー部を取り付けます
排風出口温度が測れて ホコリがつかない場所を
選びます。固定するのに 金属を利用すると
温度に誤差が生じやすいのでダストフィルターと
排風ファンの間で木製の台座を作って止めました
最後に電気配線をします。
200Vの電源は 排風モーターのリレーから取ります
これで乾燥機の使用しない時は 蒸気も止まるので
省エネにもなりそうです。
(ここが一番時間が掛かってしまいました)
今回はドラムの逆転や時間制御まではできません
でしたがシーケンス回路がわかる人はそう難しくは
無いでしょう。
私は めんどくさいのでやめましたけど。
正面にスイッチを取り付けました
黒いのが 蒸気とファンのon,offになり
白いのが ドラム回転になりました
改装の結果、回転は一方方向のみになりましたが、温度制御は 問題なく
50度Cから80度Cまで制御できています。
時間制御は クッキングタイマーで鳴ったら手動で停止させています。
いずれにせよ 時期が来たら本体を交換しますが当分は 問題なく使用できます。
電気配線あたりは 知識、経験のない人は避けてください。専門家にお願いする場所です。
改装にあたっては 自己責任でお願いします。
今回の作業にパーツの準備 2日ほど
費 用 20,000円以下
作業 時間 2時間ほど
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